第166章 徹底的に調査する

橘結衣は、わざとマイクのすぐそばに立った。

その声が、マイクを通して会場中に響き渡る。

客席のざわめきは、一瞬で爆発した。

「えっ? 聞き間違いじゃないよな? 橘結衣が『作品をすり替えられた』って言ったぞ」

「マジで?」

「うわ、試合どころじゃないじゃん」

「面白くなってきた!」

「……」

審査員たちも、思わず固まった。

こんなケースは、初めてだ。

山内航大は目の前の少女を見据え、表情をわずかに沈める。

043番の作品を見た瞬間から、彼は不快だった。提出されたのは、どう見てもまとまりのない下書き同然の代物。ふざけているとしか思えない。

この少女に評価できるところなど一...

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